3月8日、環境災害研究会 「宇宙災害と地球災害」を京都大学 東一条館 1F大会議室にて開催しました。
最初に環境災害研究会代表の 山敷庸亮教授より趣旨説明があり、その後前原 裕之 国立天文台 国立天文台 ハワイ観測所岡山分室 助教によるケプラー宇宙望遠鏡を主に用いたG, K, M型星のスーパーフレアの規模に関する最新の研究と、これらの総括について講演がありました。
次に、総合生存学館博士後期課程の関大吉氏による、地上望遠鏡を用いたフィラメント噴出の前兆観測についての報告がありました。特にフィラメントの噴出の兆候を、ドップラー法を用いた太陽表面における鉛直方向の彩層の運動に関連させて予兆を見る手法の開発について発表がありました。
続いて、上田翔士、京都大学大学院総合生存学館特定研究員により、惑星科学で用いられる粒子法の一つであるSPHを用いて天王星のジャイアントインパクトの解析結果と、この手法を、広島における土石流災害に適用した事例の紹介がありました。
さらに、有松 亘、京都大学大学院理学研究科附属天文台研究員によって、掩蔽を二つの可視小望遠鏡で観測することにより、太陽系外縁天体を新たに発見し、その大きさについても高い精度で推定した、今後の地球近傍天体/スペースデブリ捜索への応用可能性についての発表がありました。本研究成果はNature Astronomyにて発表されています。
最後にパネルディスカッションにおいては、マックスプランク研究所からの留学生Knierim Henrik 氏による、ドイツでの惑星科学の状況発表、総合生存学館博士前期課程の土田亮氏による、人工衛星画像を用いたスリランカの災害調査の状況報告、同じく総合生存学館博士後期課程の黒木竜介氏による陸域海洋相互作用の計算結果と人工衛星画像を用いた検証についての発表がありました。
さに、今後山天文台のデータやExoKyotoを用いて、太陽系外惑星観測結果をどのように活用してゆくかについての議論がありました。また浅井歩理学研究科准教授のコメントがあり、最後に柴田一成天文台長による挨拶がありました。