自然災害は、大きく地震・火山災害、気象・水象災害、そして地盤災害にわけることができる。地震・火山災害が多発する場所は、地球上の非常に限られた領域に集中的に分布しており、その最大のものが環太平洋造山帯(火山帯)(Ring of Fire)であり、日本列島はまさにその造山帯状に分布している。そのため地震列島・火山列島とも言われ、東日本大震災や関東大震災などの巨大地震が頻発し、火山噴火も絶え間ない。ただ史上最大規模の火山噴火(VEI-8)は北米大陸イエローストーン、インドネシア・トバ湖、ニュージーランド・タウポ湖で発生しており、日本列島ではない。
気象・水象災害は、台風・ハリケーン・そしてそれに伴う洪水などを含むが、特に最近巨大台風・ハリケーンによる被害が頻発しており、温暖化との関連性が議論されている。が、同時にこれらの災害の頻度が、海表面温度の変化に大いに関連性があるとの議論もある。
地盤災害は地滑りと大きく括られるが、泥流・土石流災害などがある。
火砕流は火山災害に関連して発生するが、土石流災害は豪雨により発生するが、同時に土石流発生は火山噴火による溶岩性地質と関係が深い。
また、津波は「水」災害ではあるが、地震の発生を起因とするので、地震・火山災害に区分されることもあるが、まれに土砂崩れにより発生する内陸性の津波がある。
自然災害はこのように様々な発生原因・規模・発生形態に分類されるが、人口過疎地で災害が起こってもそれほど大きな影響は生じないが、人口密集地域で発生すると比較的小規模ものでも破局的結果をもたらし得る(例えば阪神大震災 M7.2)。また、地震・津波が原因で発生した原子力発電所災害の例もあり、複合型災害の危険性についても議論しなければならない。
本研究会では、これらの災害について網羅しつつも、発生原因やその予測・減災方法について、従来の視点とは異なる新しいものを探求してゆく予定である。